お酒の仕込みが落ち着いてきた４月を迎えて、新規のお取引となる蔵の第２段は、湯沢市の「両関」酒造さんが展開する地酒専門店限定流通ブランド「翠玉」（すいぎょく）と「蒼玉」（そうぎょく）となります。

「両関」は明治以降の創業で湯沢市では新興といってもいいのですが、全国清酒品評会に秋田県からはじめて優等賞を獲得した蔵です。当時は優等賞といったら灘･伏見の蔵という中で、東京･大阪などの大消費地からはほど遠い秋田の田舎の蔵が獲得したということで、それは大事件でした。

一躍、秋田県は全国から注目されることとなり、「両関」で培った技術を秋田一円にひろげようと、「両関」のすぐ近くに「爛漫」が創設され、山内杜氏の技術を研鑽する場となっていきました。

当時、秋田市では「新政」が協会６号酵母を生み出し、醸造技術の進化はさらに進み、秋田の酒の名声はさらに確固たるものとなっていったのです。

秋田近代醸造史の魁である「両関」は、１９８０年代まで数万石を誇る秋田でも有数の規模を誇っていましたが、フツー酒（旧２級）市場の急速な衰退で生産量を下げていきます。

フツー酒に頼り切った経営基盤の思い切った脱却をめざし、、２０１０年から山形の「十四代」から直接の醸造指導をいただき「花邑」（はなむら）というブランドがスタートします。

原料米の手配から醸造・流通に関してもきめ細かいアドバイスのもと「花邑」は展開していますが、原料米や仕込み計画の関係でその製造量を当初から増やさないで現在にいたっています。

そんな中、良質な日本酒を求める限定流通市場によりしっかり対応していくために開発されたのが「翠玉」と「蒼玉」というブランドです。

（少し古い記事ですが、アキモト酒店過去ブログで両関蔵訪問記を書いていますので、ご参照ください）
http://blog.livedoor.jp/sakeakmt/archives/65648037.html

　　
「翠玉」（翠玉：エメラルド）は、秋田県産米を使用して両関の得意とする澄み切った香りと芳醇な旨みを表現するブランドです。

原料米は秋田産酒造好適米５０％精米、酸度１，３、アミノ酸１，０、日本酒度－６，８、アルコール１５度、酵母は自社培養酵母です。

リンゴや梨をイメージさせる果実香。際立つほどの立ち香でなく、ほどよく控えめです。

口に含むと適度な甘み。ハチミツのようなとろみを感じさせる粘度、丸みのある味わいです。

－６，８の甘さほどのド甘さはなく、やさしさがあります。

　

喉ごしもやさしいタッチで、スムーズにキレます。プックラ丸みのある甘さと旨さのあとに透明感のある後味。

ＡＫＢとか地下系アイドルでもない、今であれば広瀬すずのようなアイドル路線でしょうか？

「花邑」よりはライトで繊細さを感じさせ、「翠玉」はあきた美人により近づいた感じがします。

純米吟醸　翠玉　　
　１，８Ｌ　￥３，２４０　（消費税８％込み価格）
７２０ＭＬ　￥１，６２０　（消費税８％込み価格）

　　
こちらは「特別純米酒　翠玉」です。

秋田県産米を使用し麹米５５％精米、掛け米５９％精米、酸度１，２、アミノ酸１，１、日本酒度－４，７、アルコール１５度、酵母は自社培養酵母です。

香りはほどよく適度な甘みと酸、いわゆる濃醇甘口といわれるスタイルにしてはさわやかさとおしゃれ感が満載。

　

プルッとした粘度のある飲み口からサラリとしたフィニッシュが丹精さを表出します。

和服が似合うあきた美人のようで、はっちゃけている若さ爆発感もあります。

取っつきやすく、わかりやすいおいしさです。

特別純米酒　翠玉　
　１，８Ｌ　￥２，８３５　（消費税８％込み価格）
７２０ＭＬ　￥１．４３６　（消費税８％込み価格）

　　
そして、こちらが「蒼玉」（そうぎょく：サファイア）です。

山形産出羽燦殩を使用し５５％精米、酸度１，７、アミノ酸１，０、日本酒度－２，５、アルコール１５度、酵母は自社培養酵母です。

バナナのような穏やかな果実香で「翠玉」とは一線を画す風情。

蜜のようなとろみのある口あたりからまろやかに甘みと酸が立ち上がります。

キリッと冷やすとさばけがよくなり、繊細でサラサラの飲み心地になります。

香味のバランスのいい落ちつきとなめらかな余韻が印象的です。

純米吟醸　蒼玉　出羽燦〃　　
１，８Ｌ　￥３，４０２　（消費税８％込み価格）

　　
そしてお米ちがいの「純米吟醸　蒼玉　玉苗（たまなえ）」です。

山形産玉苗を使用し５５％精米、酸度１，６、アミノ酸１，０、日本酒度－２，０、アルコール１５度、酵母は自社培養酵母です。

「玉苗」は山形県で開発された「山田錦」と「金紋錦」のかけ合わせによる酒造好適米です。

こちらもバナナ様の穏やかなフルーツ香と粘度のあるトロッとした旨みと酸が持ち味です。

出羽燦〃に比べると、さわやかなキレが増している印象でしょうか？

甘さ、酸、とろみ、濃醇さど真ん中のようで、繊細でサラリとした喉ごしをもつ、独特の飲み心地です。

純米吟醸　蒼玉　玉苗　
１，８Ｌ　￥３，４０２　（消費税８％込み価格）

「翠玉」と「蒼玉」という違うキャラクターの品揃えとなりましたが、「両関」のもつあまさを活かした造りにますます特化していくことになると思います。

先月の秋田県清酒鑑評会では「成績上位酒」をいくつも獲得していて、技術の高さは昔と変わらぬ優位性を存分に発揮している「両関」ですが、生産量は旧に増やせなくても着実に蔵の意志の伝わる酒造りを貫いていくと、「風の森」や「鍋島」のような蔵に成長していく予感がします。

注目度、大です。

よろしくお願いいたします。

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４月の営業について

・４月　８日（日）　午前９時～午後６時
・４月１５日（日）　定休日
・４月２２日（日）　午前９時～午後６時
・４月２９日（日）　午前９時～午後６時
・４月３０日（月）　午前９時～午後６時
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また“SQUARE インボイス”を使った、クレジットカード決済（VISA・MASTER・AMEX）も可能になりました。

よろしくお願いいたします。

※当店のこのブログでは、消費税８％込みの総額表示とさせていただきます。

当店のこのブログは、昨年３月分までは、消費税５％込みの総額表示にしておりまます。

過去ログも本当はさかのぼって８％込み価格に訂正するべきなのでしょうが、とてもそこまで手が回らないのが現状です。

申し訳ありませんが、過去ログをご覧になって２０１４年４月以降のご注文の場合は、消費税８％に置き換えた金額をその都度お知らせさせていただくことで対応したいと思っています。　　　

勝手いって、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

娘のブログもご覧ください
ブログ移転し、タイトルも変わりました！
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