「ブラックフライデー」とは、アメリカ合衆国の11月第4木曜日の感謝祭の翌日の金曜日のこと。
感謝祭明けにスタートするクリスマスのセールにより、小売店が黒字になることから、こう呼ばれています。
アメリカではクリスマス商戦として1年で最大のセール期間となっていますが、日本ではAmazonなどのネット通販の普及とともに、これまでの歳末セールの先出しとして定着してきました。
このブラックセールに対して、アウトドアブランドの「パタゴニア」は、2011年ブラックフライデー当日にニューヨークタイムズに「このジャケットを買うな!」と下記のような全面広告を掲載しました。

パタゴニアのウェアが、たとえそれがオーガニックであれリサイクル素材を使ったものであれ、その重さに対して何倍もの温室ガスを排出し、最低でも半分の廃棄物を生み、地球上のあらゆる場所でだんだんと希少になっていく淡水を大量に使用しています。
あらゆる人びとが消費を抑える必要があるということです。ビジネスは製造を削減して、より高品質なものを作る必要がありますし、消費者は購買決定をする前に熟考する必要があります。
パタゴニアは地球のためにできる最善のことのひとつは、モノを長く使いつづけて私たちの全体的な消費を減らすこととして、ウエアや道具の修理にも力を入れています。
安さで必要のないものまで買うことをせず、ほんとうに必要なものを吟味して購入し、長く使いましょう!というメッセージです。
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アキモト酒店でも初売りなどの企画はありますが、安売りはひかえて、まとめ買いを促す衝動行動などにならないように、配慮しているつもりです。
それというのも、当店の売り上げの基盤となる日本酒、ワイン、クラフトビールは“アルコール飲料”であり、人々の生活や社会に及ぼす影響があるからです。
青少年やクルマの運転、仕事はもちろん、飲み過ぎは個人の健康を大きく害してしまいます。
きちんとした商品を、楽しく、生活を豊かにするために飲んでいただく責務があると思うのです。
パタゴニアの広告の中では
「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」というのが私たちのミッションの一部です。
私たちは環境を改善するための仕事をしているのですから、お客様に「購買はよく考えてから」と奨励しないことの方が偽善なのではないでしょうか。
と書かれています。
米作りも酒造りも自然環境にまったく依存しています。
自然環境を守り、必要のないものをたくさん売買することで経済が成り立つのではない社会でありたい。
ブラックフライデーのセール広告にウズウズする気持ちを抑えながら考えています。