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新政の酒米を栽培する 鵜養紀行


稲刈りの中休みとなる雨上がりの25日(火)、「新政」の酒米を栽培する秋田市河辺町鵜養地区に出かけてきました。


田んぼに水のいらないこの時期は水路の水は止まるものなのですが、ここ鵜養は枯れることのない岩見川源流部の頭首口から水路を引いているので、流れっぱなしです。すごい!


「新政」の酒米担当で鵜養地区に家を借りて常駐する古関弘君のいる“新政ハウス”を訪ね、今季の栽培~収穫までの状況についてレクチャーを受けます。

「新政」の酒米の稲刈りは数日前からはじまっているのですが、この日は前日からの雨で完全オフです。

昨年は古関君自身、初めての米作りということで集落の皆さんからアドバイスをもらいながら慣行栽培でこの地域で一般的な農薬・化学肥料を使って管理してきましたが、今年は減農薬栽培と無農薬・無肥料栽培に挑戦してきました。


時折落ちてきた雨も上がったので、歩いて田んぼまで行くことにしましたが、道すがら、集落の人たちに声をかけられます。

家の前で片付けをしていた水路守の方の庭先には、手造りの水車が。これにダイナモをつなげば小水力発電ですね。


佐藤直久さんという農家さんの倉庫では、新政との契約栽培である美山錦の乾燥があがって袋詰めをしている最中。

古関君は声をかけながら、米袋運びの手伝いに走ります。


酒米は良質なデンプンがほしくて酒造りには雑味を生み出しやすいタンパク質は抑えてほしいとチッソ肥料の投入を減らし、また農薬も減らしたので、今年の天候状況もあり終了は全般に減収、粒の大きい米を選別していくとくず米も多く、だいぶ減収となっているようです。


茅葺き屋根の家もまだ現役で数軒あり、茅場もまだ残っている鵜養です。


東に向かい集落を抜けるすぐの田んぼから「新政」の契約栽培田です。


こちらは、今年いの一番に稲刈りをした古関君が栽培した秋田酒こまちの田んぼ。

酒米は登熟が進んでしまうと精米の時にも浸漬・蒸かしの時にも割れやすくなるので早めの収穫を心がけようと取り組んだ田んぼですが、水路からの冷たい水のかかる水の入り口は生育が遅く、刈り残しています。そのため、反収計算はまだ未確定。


そのとなりは無農薬無肥料栽培の美郷錦と陸羽132号の田んぼ。

鵜養の農家さんとの交流から、陸羽132号(通称 愛亀)はこの土地によくあっていたという声を受けて、100年前の農薬・化学肥料のなかった時代の米で無農薬にトライしています。

陸羽132号は、秋田・大曲で生まれた米であること、冷害に強い品種であること、亀の尾の血をひいていて酒造適正もあること、そしてそして5代目佐藤卯兵衛氏が協会6号酵母を見つけた時代に合致し、当時はこの品種が酒造りにも使われていたことを考え合わせると、物語にはまりすぎてしまうほどのストーリー性で語ることができます。


籾の先端が変色しているのは品種の特性。

今年は7月の台風にのって大量のウンカが日本にも飛来し、秋田県はウンカ注意報が出ていたそうです。慣行栽培で殺虫剤をまいている田んぼはいいのですが、無農薬の田んぼは直撃されたとか!

それでもまとわりつかれても心配したほどの被害は免れていくらかの未熟粒や着色粒がでたくらいでおさまってくれたようです。

また、肥料を与えずにトータル6回あまりの除草で土壌を撹拌することで自らチッソを生み出し無肥料栽培を実現しています。


無農薬無肥料栽培をめざすことで見えてきた自然のサイクルのすばらしさとそのサイクルに人が合わせるライフスタイルのこと、そして発酵と醸造について、米作りと向き合った古関君の熱弁がとまりません。

 

無農薬でも絶対にイモチ病は出さない!と、がんばったのですが、8月後半、いくらかイモチにやられてしまいました。

それでも、蔓延することなく、局所でくいとどめられているのは立派です。

 


田んぼからの帰りがけ、改めて陸羽132号(愛亀)の前で写真を撮らせてもらいました。

晩稲の陸羽132号(愛亀)の稲刈りは10月に入ってからのようです。

鵜養地区全般の終了も減収のようなので、仕込みに使える原料米も減ってしまうことが心配されますが、品質がよく酒造適性の高い米作りを意識する「新政」の姿勢は、より明確になりました。

今期の仕込みが楽しみです!!

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